【緊急報道】｢国家安全法｣で香港はどうなる!? 超厳戒体制下のデモ最前線で見た混乱の極み
顔面を胡椒スプレーが直撃！記者が見た国家暴力の真実
◼︎デモ隊に引きずりおろされた香港国安法を祝う横断幕
時計を見ると、デモの予定時間の２時を過ぎていた。ニュース速報を見るとビクトリア公園を封鎖された参加者たちは、銅鑼湾の各エリアに分散しデモを始めていた。自分のいるパターソンストリートでも人が集まりだしデモ行進が始まった。警察の威圧的な取り締まりと過剰暴力に対し「真っ黒でヤクザな警察！（黒警察）」、「一つの国、ひとつの香港！（One Nation,One Hong Kong）」とシュプレヒコールが上がっていた。デモ隊は徐々に数を増し、警察の封鎖している道を避け、ビクトリア公園の脇を抜けて、メインストリートのヘネシーロードへ抜ける。(実況映像参照【20200701】「一つの国、ひとつの香港！」などのシュプレヒコールを叫ぶデモ隊 https://youtu.be/EZxk3i8ReNo)
歩道橋の上には政府により「香港国家安全維持法を祝う」と書かれた横断幕が掲げられていたが、市民たちに引きずり下ろされていた。しかしSOGO前に向かう道は、大量の武装警察と警察車により、完全封鎖されていた。自分も参加者と共に裏の細い道を抜け、銅鑼湾のランドマーク、タイムズスクエアに向かう。そこではデモ隊と警察がにらみ合っていた。デモ隊がシュプレヒコールや警察の暴力を非難する声を上げていると、突然、大量の警察がデモ隊に向かって走り出し、デモ隊は四方八方に逃げていく。一部の参加者はアパートの中に逃げ込んでいく。警察はそこに狙いを定めて、捜索を開始する。しばらくすると警察に10人ほどが連行されて下りてきた。若者以外に老人も含まれている。彼らは壁に並ばされ、持ち物検査をされた後、2人づつ結束バンドで腕を縛られ連行されていた。70才近い老人まで連行されていくのを見るのはつらい。
連行されていく彼らの姿を撮影していると、一台の警察車が猛スピードで走ってきて取材陣の前に止まった。ドアが開くと敵意をむき出しにした武装警官がプラスチック弾を装填したライフルを記者たちに向け「お前ら、ここから離れろ！」と、怒鳴り声を上げる。ニュース速報では他の現場ではウォーターキャノン車の放水攻撃で２ｍも吹っ飛ばされて負傷した記者も出ていると伝えている。これ以上、単独での取材は危険と判断し、撤収することにした。
（実況映像参照【20200701】プラスチック弾を装填したライフルを記者たちに向け威嚇する武装警察 https://youtu.be/dAVCe4OJMO8）
